宮城教育大学 上廣倫理教育アカデミー

    上廣倫理教育アカデミー

p4cみやぎ「p4cだより」no.51

令和6年3月 1日

p4cみやぎ2月研修会報告

第6回 p4cみやぎ定例研修会(オンライン)

第6回p4cみやぎ定例研修会を2月21日(水)にオンラインで実施しました。

 研修Ⅰでは,長崎大学准教授 山岸利次先生から、「みやぎの外から見たp4c -p4cへの期待-」ついてご講和いただきました。研修Ⅱでは,山岸先生の講話を受けて3つの分科会で協議と情報交換を行いました。5名の新しい参加者をお迎えして,和やかな雰囲気の中で研修会が進みました。


研修Ⅰ】 

話題提供:「みやぎの外から見たp4c -p4cへの期待-」

講師:長崎大学准教授 山岸利次 先生

1 私とp4cとの出会い方

・宮城大学時代、地元の教育学研究者として一定の関心。
被災地教育への宮城教育大学の関わりに関心、一方で養護教諭養成課程としての位置

・長崎大学着任後、p4cに大きな関心

①道徳教育への関心

「教科化」の流れの中での、子どもの思想良心の形成の自由を保障しうる道徳教育への向き合い。古典的な教育法学の課題、道徳教育の前景化、教師の教育の自由、自然や崇高なものとの関わりに関することの位置づけ

②対話の方法論として

長崎県美術館の鑑賞教育の実践との関わりから、哲学対話への着目

◯社会や大人の価値観の押し付けではない子ども自身の「生きること」や「価値」「規範」「社会」についての問いの表出・受け止め・対話の可能性。道徳教育における「かち」そのものを子ども自身が宙づりにし。自ら解釈し、自分たちのものにしていく可能性。

2 私のp4cへの関心―哲学対話と方法論

お茶の水女子大学附属小学校『新教科「てつがく」の挑戦

―“考え議論する”道徳教育への提言

◯対話の方法論としてのp4c

・鑑賞教育の方法論として、本研修会に参加した契機
教科教育における取組への率直な驚きとさらなる疑問
「哲学対話」固有の意義と強化教育一般の特性との関係や道徳教育と強化教育の同一性と異質性をどう捉えるか。

◯p4cをやってみた

・教育学部「初等学習材集中研究」少人数で「特別の教科道徳」で実施。学生たちの議論に感動。大学教員としてのジレンマ、一定の知識、議論の下地。教育についての「なぜ」という問題意識の共有と問題化するための方法論

・教科教育とp4c 坂元忠芳氏『学力と人間形成』

3 安全・安心であることーp4cへの期待

◯学校における安全・安心

子どもの権利委員会第4・5会報告最終所見
安心な場としての学校①<教師―子ども>間の関係、②<子どもー子ども>関係 ③<教師―教師>関係 p4c的関係を作る仕掛けとして重要

【質疑応答】

テーマは?教材作成 選ぶ方法は?ホワイトボード投票

【研修Ⅱ】 

演習:「研修Ⅰを受けての協議&情報交換」

※研修Ⅰを受けて、各学校において配慮を要する生徒への支援の在り方について皆さんと話してみたいということで対話がスタートしました。

〔各グループから〕

〈Aグループ〉

〇幼児教育におけるp4cは、生活の実態に即した問いにすると対話の基礎が作られ5歳児から話せるようになると共に、素朴な問いであればいつでも実践することができます。

〇教科教育の中での実践は、児童生徒の知識量や経験の差があるため、最初にレディネスをそろえると話を展開しやすくなります。

〇中学校美術科の「自画像を描く」教材では、「自分自身を見つける」ことを目的にp4cを行い、自分の気持ちを絵画に表出させるようにしました。他教科、他領域も含め回数を重ねることで生徒によるファシリテートも可能となりました。

○習ったことを生活に結び付け、日常の人間関係を結び付けることで、安全安心を大切にする仲間たちを増やしたい。

〈Bグループ〉

〇ある研修会において、「学級担任は評価者なので、ファシリテーターを務めることは難しい。」という話題を受けての対話となりました。

*子どもたちは自分の発言内容によって学級担任はどう思うのだろうと評価等を気にしてしまう背景があるようです。

・ファシリテーターは、対話をしているコミュニティの属性を理解していることが、とても大切です。

・ファシリテーターが、安心、安全をその場につくっていくこと、そうなるような姿を見せることという観点から考えると、学級担任であってもよいと思います。

※学級担任と子供の関係性は、対話に少なからず影響を及ぼします。集団の中に、「セーフティ」をいかに構築するかが課題です。

〈Cグループ〉

〇鑑賞教育にはギャラリートークが有効です。p4cとのつながりを感じています。

〇朝の時間に対話型鑑賞を行っています。子どもたちは活発に話し合っています。

〇p4cは対話で思いを表出できます。互いに思いを出していいんだという安心があります。

○大川小学校を見学した際、語り部の先生との様々なやりとりをとおして、気づき、受け取ることが大切であり、p4cと相通じることを感じました。

○他の人の話を聞いて、自らが新たな切口を見つける、その繰り返しで対話が深まっていくと思います。

○道徳で対話の大切さを子どもたちに伝えていきたい。

○音楽の鑑賞や英語でp4cを取り入れています。

○教師と教師の安全、大人のセーフティが大切です。子どもへの影響も大きいと思います。

HP    http://p4c-miyagi.com/

Mail    p4c@grp.miyakyo-u.ac.jp

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