オンラインルール

オンラインでp4c

私たちはオンラインでもp4cを行ってきました。

オンラインp4cのよいところは,何と言っても開催する場所と時間に自由の幅が広がるというところ。コロナ禍で多くの人が一度に集まることが難しい,長期休業期間,オンライン授業などによってそもそも大学に行く機会が少ない,大学から離れた場所に住んでいる,など一人一人に様々な事情があると思います。オンラインp4cを取り入れることで,みんなで集まりやすい時間に,それぞれの場所でリラックスしてp4cを行うことができました。問いを立てる時や掘り下げの問いがあった際には,チャット機能(コメント欄)を活用することで,内容を一目で把握することができ,とても便利です。自分の好きな飲み物を片手に対話を楽しむメンバーもいました。

オンラインルール

いつもは対面で行うp4cを突然オンラインでやることは,初め,そう簡単ではありませんでした。もしかして,オンライン独自のルールがあった方が,安心して楽しくスムーズにp4cができるのでは?と思い,仲間とオンラインp4cのルールを考えました♪ここでは,私たちが考えたオリジナルルール「SORT」を紹介します。

Sympathy(共感)

オンラインの画面上で話すことに緊張感がある人も少なくないと思います。一人一人が「Sympathy(共感)」を意識することで,頷く,相槌を打つなどという行動につながり,話している人は安心することができます。

Over reaction(リアクションは大きめに!)

オンラインでは当然のことながら画角が決まっていて,みんなの様子をパソコン画面で見ることになります。意識確認をされた時,OKマークやグッドマークを指で作って大きくアピールしたり,コミュニティーボールをパス&キャッチするジェスチャーをして対話を繋いだりと,工夫をしています。みんながオーバーにリアクションしてくれることで,まるで近くにいるかのようにスムーズに対話を進めることができます。

Respect(尊敬)

Pすく〜るでは,どんな意見にもしっかりと耳を傾けます。尊敬の気持ちを大切にしながら対話に臨むことで,お互いが心地良く対話できる,相手の考えをスムーズに自分の中に取り入れることができる,というような良い点があると考えています。ひとりひとりを大事に思うからこそ,互いに思いやりも生まれ,あたたかい雰囲気につながります。

Try(たくさん話そう!)

「パソコンに向かって話すのにはやっぱり抵抗がある…。」このように感じている人も多いと思います。そこで,みんながたくさん話そうとすれば活発な対話が生まれ,より発言がしやすくなるのではないかと考えました。オンラインの方が自分の意見をすらすら言える,と感じているメンバーもいるようです。

これら4つのルールの頭文字を合わせると「SORT」が完成します。SORTは英語で種類という意味があります。オンラインのp4cでも各自の意見や様々な意見が活発に飛び交うように,という願いも込めて,「SORT」というルールを作成しました。

オンラインp4cの活用 ~ハワイ大学との交流会~

前述したように,オンラインp4cの利点の一つとして「離れた場所にいる人同士も対話ができる」ことが挙げられます。そのような利点を生かし,ハワイ大学とPすく〜るの交流会も実現しました。

「なぜハワイ?」と疑問に思った方もいるでしょう。p4cは,1960年代終わり頃にアメリカのリップマンによって始められました。ハワイでも「子どもと共に哲学的な探求をする」というコンセプトのもと,p4c Hawaiiとして独自の実践が盛んに行われてきました。

交流会では,通訳をしてもらいながら,「p4c」をテーマに対話を行いました。言語も歳も異なる人同士が集まり,話をすることで,より多様な価値観が飛び交いました。

Pすく〜るでは,自分にはない考えを知ることをみんなが楽しんでいます。オンラインという手段によって,より気軽に国を越えて多くの人々と繋がり,対話し,感情を共有することができることに,さらなる可能性を感じています。


Copyright© 宮城教育大学 上廣倫理教育アカデミー All Rights Reserved.