p4cみやぎ「p4cだより」no.54
令和6年12月3日
p4cみやぎ10月研修会報告
2024年度 第3回p4cみやぎ研修会(オンライン)
10月30日(水)に41名の参加者をお迎えして、第4回p4cみやぎ定例研修会(オンライン)を開催しました。
今回は新しい参加者が6名と毎回新しい方が増えております。
【研修Ⅰ】
動画視聴「ぼくたちの哲学教室」
講演「ぼくたちの哲学教室」ケビン先生の取材を通して
<講師>
中野遼子先生 (なかの りょうこ)
東北大学大学院 歯学研究科世界展開力強化事業推進室 特任講師
菱田伊駒先生 (ひしだ いこま)
一般社団法人いしばしコモンズ代表理事 平安女学院高等学校講師(哲学対話)
渡邉泰久先生 (わたなべ やすひさ)
メルボルン大学 アジア インスティチュート 准教授
【会の流れ】
今回の研修会では、東北大学での国際教育における哲学対話の取組や、ベルファストの学校訪問の報告が行われました。また、不登校経験者や特別な配慮が必要な生徒たちを対象とした哲学対話の授業実践について共有されました。最後に、今後の予定として日米教員交流や2024年度探究の対話(p4c)研究会の開催が告知されました。
【講演の要約】
<東北大学の哲学対話>
中野遼子先生は東北大学での国際教育における対話(p4c)の取組について発表し、ケビン先生の学校訪問の様子を共有しました。中野遼子先生は留学生と国内学生を対象とした英語による授業で演劇的手法を用いたコミュニケーション教育を行っており、p4cを取り入れることで対話が活発になったと報告されました。
「ベルファストの小学校訪問内容」
<性差別セクシズムの定義と例> ケビン先生は、エルビス・プレスリーについての短い紹介を行い、その後、生徒たちに20秒間で好きな主題について話すよう促しました。その後、ケビン先生の自作教科書を用いて性差別(セクシズム)についての議論を行いました。生徒たちはセクシズムの定義や具体例について意見を交換し、ケビン先生はそれぞれの意見に対してフィードバックをしていました。授業の最後には、生徒たちが哲学的な言葉が書かれたボックスを持ち、順番に回答していく形式で議論をまとめていました。
<性差別セクシズムの授業と訪問>
中野遼子先生は、セクシズムに関する授業の観察と、ホーリークロスボーイズスクールでの訪問の気付きについて報告しました。ケビン先生の教育方法が日本の教育と似ているが、個人との対話を全体での対話に発展させている点が特徴的だと指摘しました。
<ベルファストの小学校訪問:渡邉泰久先生>
渡邉泰久先生はベルファストの小学校訪問について報告しました。街の物々しい雰囲気や高い塀、有刺鉄線、金網付きの窓など、内戦の名残を感じる一方で、教室内の雰囲気がオーストラリアの学校と似ていることに気付きました。子どもたちは和気あいあいと授業を受けており、学校の教育の成果を感じたと述べました。また、渡邉泰久先生は、p4cとソクラティックメソッドの類似性について言及し、生成AIを活用した教育方法の可能性について述べました。
<不登校生徒の哲学対話:菱田伊駒先生>
菱田伊駒先生は、全日制普通科単位制の学校で哲学対話の授業を担当しており、不登校経験者や特別な配慮が必要な生徒たちを対象に授業を行っているとのことでした。授業では、生徒たちの緊張感を和らげるためにお面を使用したり、暗闇で行ったりするなど、様々な工夫を凝らしています。また、海外の不登校経験者を招いて話を聞く機会を設けるなど、生徒たちのニーズに応じた取組を行っています。
【連絡】
•12月14日(土)13:00-15:30のYouTubeライブ配信「2024年度探究の対話(p4c)研究会」を行います。
•11月27日(水)20:00からの次回定例会は「年末年始」をテーマに対話を行います。
次回定例会の参加申し込み時に、可能であれば問いを記入していただければ幸いです。
• 本日の研修会の振り返り(配信されたシートへの記入)をお願いします。