p4cみやぎ「p4cだより」no.52
令和6年6月26日
p4cみやぎ6月研修会報告
2024年度スタート!p4cみやぎ研修会(オンライン)
梅雨入り後、蒸し暑い日々が続く中、6月26日(水)に42名の参加者をお迎えして、本年度第1回目となるp4cみやぎ研修会がオンラインで開催しました。今回は新しい参加者が10名もいらっしゃいました。
研修Ⅰでは、宮城教育大学 教授 上廣倫理教育アカデミー所長 川﨑惣一先生から、「最近p4cしていますか?」というテーマで話題提供をいただきました。研修Ⅱは、参加者を3つのグループにブレイクアウトしてp4cの体験を行いました。本年度、今回を含め年6回の研修会の開催を予定しております。探究の対話(p4c)を通して皆様と多くの学びを共にしたいと思います。数多くの皆様のご参加をお待ちしております。
【研修Ⅰ】
話題提供:「最近p4cしていますか?」
講師:宮城教育大学 教授(上廣倫理教育アカデミー所長)
川﨑惣一 先生 哲学
◯p4cみやぎのこれまで
スタートした初期のころは、ハワイでの実践についての情報交換が盛んに行われていました。
◯定例研修会の意義
宮城県内にさまざまな理由で急速に広がっています。今日のような定例研修会は、これまで実践してきた人にとっても、新しく入ってきた人たちにとっても、非常にためになる、リフレッシュや刺激の機会になると考えています。
◯ハワイ派遣報告書から現場教員の振り返りの紹介
・p4cは「考える姿勢」を育むツールで、答えのない問いを使い知識や経験を引き出す。p4cの抵抗感を乗り越え、子ども同士のアドバイスの有効性を実感した。
・p4cを教育理念と結び付けることの重要性に気付かされた。「急ぐ必要はない」との言葉が印象的だった。
・p4cは全員が参加でき、障害のある子どもへの理解や成長に役立つ。安全なコミュニティを築くことが重要だ。
・p4cを授業に取り入れる際、「自分に優しく」というアドバイスが印象的だった。子どもたちがリラックスして話す雰囲気が大切だ。
・p4cでは、感情を込めて話し合い、リラックスして楽しい時間を過ごすことが重要。子どもたちが「どうして?」と思うことがp4cの核心にある。
・p4cのファシリテーターの役割で、プレッシャーを感じず子どもたちを信じることの重要性を学んだ。
◯今後の活動に向けて
これらの先生方の言葉をあらためて読み直すことで、これからp4cを始める人、すでに何度も実践している人、最近あまり実践できていない人、それぞれのお立場からp4cへのモチベーションとか、これからの実践に役立てていただければと思います。
【研修Ⅱ】
〔各グループから〕
〈Aグループ〉
5人の新しい参加者の皆さんをお迎えして、和やかな雰囲気の中で情報交換が進められました。幼稚園から大学までの先生方や大学院生、心理関係のお仕事の方などそれぞれのお立場でp4cの実践を通して感じていることや疑問を話し合うことができました。
〇p4cを行っている時に、話しが長くなってしまう人がいたらどのようにしているか。
・話すことも黙っていることも許される雰囲気の蓄積を大切にしています。
・話し手の聞いてもらえる機会は大切にしつつも、コーディネーターがボールの力でコントロールしています。
〇担任制の小学校に比べると、中学校と高校は教科なので、p4cの時間をどこで取るか疑問だったが、学活や教科などで工夫して取り組んでいることがわかりました。
〈Bグループ〉
〇幼稚園や保育園でp4cを行っています。小さい子でも2回目ぐらいからセーフティの意識が出てきているように感じます。
〇p4cにおいても幼保小の連携、継続が大切だと思います。自己肯定感が育っていくように感じています。
〇p4cの実践で職員の雰囲気が変わってきました。キャッチボールができる家庭も増えてきています。
〇小学校2年生でコミュニティボールの代わりにぬいぐるみを使っています。聞く姿勢が身に付いてきました。
〇いじめが起きない集団づくりにp4cが役立つと思います。セーフティ、聞くこと、伝え合うことなど、p4cの効果を感じています。
〈Cグループ〉
〇異動して新しい職場でもp4cを続けてほしい。抵抗感や否定的な意見もあるかもしれないが自分が実践することで子どもたちが良くなり、それを紹介していければ広がっていくのだと思っています。
〇広めたいが周りが必要性を感じているかを見極めたいと思っています。必要と感じるか感じないか同じ職場でも温度差があるのでどう克服していこうかと考えています。
〇大学での自主サークルへの勧誘でもなかなか人が集まらない。強引に強制的に誘うことも考える時があるがそれではp4cの楽しさが伝わらない気がしています。
〇広めるのには時間がかかると思っています。p4cは誰もがやれるが誰もがやるというものではないと思います。まずは自分が好きでいること、それに向き合いながら仲間を作っていくことも大切だと思います。